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パーソナルトレーナーをつけるメリットはあるのか?

近年、フィットネス業界の発展により、パーソナルトレーナーが多く見られるようになってきました。この業界に身を置く人間としては、有益な情報を交換できる機会が増えるため喜ばしい限りです。

今回の記事は「パーソナルトレーナーをつけるメリットはあるのか?」について書き綴っていきますが、最初に結論から申しますと、パーソナルトレーナーをつけるメリットはあります

では、一体どのようなメリットがあるのかというと、

・適切なメニューを知ることで、トレーニング効果を増大させることができる。
・適切なフォームを知ることで、傷害発生のリスクを減少させることができる。

の2つです。

パーソナルトレーナーについて

パーソナルトレーナーとは?

契約したクライアントと1対1(1対複数の場合もある)で、エクササイズ指導を行う職業です。対象となるクライアントは、スポーツ選手だけでなく、健康、体力作りを目的とした一般の人、医療的な問題を抱え、リハビリテーションを目的とした人など多岐に渡ります。そのため、様々な目的に応じたエクササイズプログラムを作成し、指導を行うことができるよう、幅広い知識が必要となります。

引用:NSCAジャパン

イメージとしては、解剖学や筋生理学など、トレーニングに関する知識を有した「トレーニングの家庭教師」と捉えるとわかりやすいかもしれません。

料金

その施設・その個人によって変わってくるのですが、平均すると「1分あたり100円」ほどでしょうか。以前、私が会員として在籍していた施設では、

A氏
・60分  6,000円
B氏
・60分  7,000円

となっていました。

もっとも、安価な施設・個人では「60分  4,000円」というところもありますし、高額な施設・個人では「60分  20,000円」というところもあります。

パーソナルトレーナーをつけるメリット

適切なメニューを知ることで、トレーニング効果を増大させることができる

トレーニングは、個人の状態やレベル・目的によって、種目・重量・レップ数・セット数・セット間休憩時間…などが変わります。

肩に違和感を持つトレーニング未経験者が筋肥大を目的とするケースと、至って健康なトレーニング熟練者が爆発力向上を目的とするケースとでは、ガラッとそれらが変わります。

つまり、その人にとっての「適切なメニュー」が存在するということです。

そのため、自身一人でトレーニングを行おうとした場合、解剖学や筋生理学など、トレーニングに関する知識をあまり有していない人においては「適切なメニュー」ではなく「適切とは言えないメニュー」で取り組んでしまうことがあります。

一生懸命取り組んでいるにも関わらず、トレーニング効果が薄い場合があるのです。

しかし、パーソナルトレーナーをつけておけば、そのような心配は無用となります。なぜなら、解剖学や筋生理学など、トレーニングに関する知識を有しているためです。

詳しくは(こちらの英語文献)を見ていただきたいのですが、

・30〜44歳の男性を2つのグループに分ける。
・1つ目はパーソナルトレーナーをつけるグループ(以下TRAINED)。
・2つ目はパーソナルトレーナーをつけないグループ(以下SELF)。
・週3回12週間トレーニングを実施してもらう。

という実験を行った結果、

・除脂肪体重はTRAINEDで1.3kg増加、SELFでは変化なし。
・体脂肪率はTRAINEDで2.0%、SELFで1.0%減少。
・チェストプレスの筋力はTRAINEDで42%、SELFで19%増加。
・レッグプレスの筋力はTRAINEDで38%、SELFで25%増加。

とのデータが得られました。

「除脂肪体重の増加」「体脂肪率の減少」「筋力の増加」など、様々な項目でトレーニング効果が増大しております

適切なフォームを知ることで、傷害発生のリスクを減少させることができる

トレーニングは、何よりも「適切なフォームで行うこと」が重要となります。不適切なフォームでトレーニングを行ってしまうと、傷害発生のリスクが高まるからです。

例えば、スクワットでは腰を丸めることはNGとされています。

詳しくは(スクワットやデッドリフトで腰を丸めちゃいけないのはなぜ?)で書いているのですが、椎間板にかかる圧力が増すことで、椎間板ヘルニアを発生させるリスクが高まるからです。

そのため、スクワットを行う際には、脊柱を「生理的湾曲」つまり「綺麗なS字」の状態に保つことが推奨されています。

しかし、腰が丸まっているかどうかを、そして脊柱が「綺麗なS字」の状態に保たれているかどうかを自身一人で判断することは、なかなかに難しいはずです。

左右どちらかに設置してある鏡を見れば可能でしょうが、首を横に回すことでバランスを崩す確率が上がりますし、高重量になるほど持ち上げることに必死になり「鏡を見ている余裕がない」ということもあります。

一方、動画を撮影すれば、先述した「鏡を見る」という方法におけるデメリットを回避することは可能でしょうが、周りに人がいると、それができないこともあります。

しかし、パーソナルトレーナーをつけておけば、そのような心配は無用です。常にフォームをチェックしているため、適切・不適切だった箇所を把握し、傷害発生のリスクを減少させることができます。

まとめ

パーソナルトレーナーをつけると、確かに料金が発生します。個人的な意見ですが「お手頃な料金」とは言い難いでしょう。

しかし「適切なメニューを知ることで、トレーニング効果を増大させることができる」「適切なフォームを知ることで、傷害発生のリスクを減少させることができる」というメリットがあるため、やはりパーソナルトレーナーをつけておくに越したことはありません。

ちなみにですが、私がオススメしている流れは以下になります。

1.最低3ヶ月(12回前後)はパーソナルトレーナーをつけ、適切なメニューや適切なフォームを知る。
2.自主トレーニングで問題なさそうであれば卒業。
3.自主トレーニングに不安があればそのまま継続。

次回は「優秀なパーソナルトレーナーの選び方」について書き綴っていきます。ぜひご覧下さい(優秀なパーソナルトレーナーの選び方 しっかりとした結果を出すために)。

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