関節はロックするべき?しないべき?トレーニングの効果について

 

トレーニング界には「関節をロックする」という表現が存在します。トレーニングの経験者であれば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

これは「クローズドパック」と呼ばれるポジションに、関節が位置している状態を指します。ちなみに、クローズドパックポジションとは

関節を挟む2つの骨が、固定された1つのユニットとして動く状態にある関節のポジション

のことです。

少し難しい説明になっていますが「完全に伸びきった膝や肘」を想像していただければ問題ありません。

トレーニング界、厳密にはボディメイク界では「動作中、関節をロックしないようにしてください。関節をロックすると、効果が落ちます」と言われることがよくあります。

「スクワットでは膝を伸ばしきらないように」「プレス系動作では肘を伸ばしきらないように」が代表的な指導例です。

今回の記事は、関節のロックとトレーニングの効果(筋肥大)について触れていきますが、最初に結論から申しますと

・関節をロックしても効果が落ちることはない。
・結果として関節をロックした方が効果は高まる。

と考えています。

このような主張をする理由を説明していきます。

なぜ関節をロックしないようにと指導されるのか?

本題に入る前に、なぜ「動作中、関節をロックしないようにしてください。関節をロックすると、効果が落ちます」と言われることがよくあるのでしょうか?

理由はいくつかあるかもしれませんが、最も大きな理由としては「負荷が抜けパンプが弱まるから」が挙げられます。

想像していただければ簡単にお分かりになるかと思いますが、例えばスクワットの時、膝を曲げた = 空気椅子状態をずっとキープするのは、軽い重量でもしんどいはずです。数十秒もしないうちに、脚がプルプルしてきます。

一方、膝を完全に伸ばしきった = 直立した状態では、ある程度の高重量を持っていたとしても、その状態を長くキープできます。

つまり、関節をロックするというのは、筋肉ではなく骨格の構造で重量物を支えている状態で、結局休んでいる = 負荷が抜けることとなり、パンプが弱まるのです。

このような理由から、関節のロックに対しては、否定的な意見が目立ちます。

 

関節をロックしても効果が落ちることはない、と考える理由

しかし、私は、関節をロックしても効果が落ちることはないと考えています。

確かに関節をロックすると、負荷が抜けることはあるでしょう。そしてその結果、パンプが弱まることもあるでしょう。が、近年の科学的知見を見る限りでは「パンプが弱まると効果が落ちるとは言えません。つまり「パンプを強く起こした方が効果があるとは言えない、ということです。

例えば(こちらの英語文献)では、異なる休憩時間が筋肥大にどのような影響を及ぼすのかを調べているのですが、その結果「短い休憩時間の方が、長い休憩時間よりも筋肥大に効果的というデータはない」ということが確認されています。

一般的に、短い休憩時間と長い休憩時間では、短い方がパンプが強く起こります。もし、パンプの強さがトレーニング効果を決定する重要な要因なのであれば「短い休憩時間の方が、長い休憩時間よりも筋肥大に効果的」というデータが得られていてもおかしくないはずです。しかし、実際は得られていません。

 

結果として関節をロックした方が効果は高まる、と考える理由

「関節をロックしても効果が落ちることはない」と先述しましたが、では、関節をロックした場合としない場合ではどちらの方が良いのかと言いますと、これに関しては、結果として・・・・・関節をロックした方が効果は高まると考えています。

詳しくは(こちらの記事)をご覧いただきたいのですが、可動域を大きく取るトレーニングと小さく取るトレーニングでは「可動域を大きく取るトレーニングの方が筋肥大に効果的」というデータが得られています。

「関節をロックしない」というのは「可動域を制限する」とほぼ同意義です。つまり、関節をロックしないようにすると、可動域が必然的に狭まってしまうことになります。

「可動域を大きく取った方が筋肥大に効果的」なのであれば、当然、可動域を大きく取るに越したことはありません。そして、可動域をできるだけ大きく取ろうとすると、結果として・・・・・関節をロックする事になるわけです。

 

必ずしも関節をロックさせるわけではない

・「パンプが弱まると効果が落ちる」「パンプが強い方が効果がある」とは言えない。
・「可動域を大きく取るトレーニングの方が筋肥大に効果的」というデータが得られている。

との理由から

・関節をロックしても効果が落ちることはない。
・結果として関節をロックした方が効果は高まる。

と、私は考えているため「動作中、関節をロックしないようにしてください。関節をロックすると、効果が落ちます」と指導することはまずありません。

しかし、ごく稀ですが状況によっては「関節をロックしないように」と指示を出すことはあります。

上の写真は「反張肘」と呼ばれる肘の状態を写したものです。通常よりも、反りが強くなっているのがわかります。

もう何年も前の話になりますが、反張肘の方にディップスを教えていたところ、次の日肘に軽度の痛みが出た、とフィードバックをいただきました。

反張肘が原因だろうと考えた私は、その日から、肘関節を完全に伸ばしきるのではなく、伸ばしきる少し手前でストップするよう指示を出しました。そしてその結果、肘の痛みはそれ以降出ませんでした。

このような経験があるため、例えば反張肘の方に対しては「関節をロックしないように」と指示を出すことはあります。

 

最後に

本当は、関節をロックした場合 vs 関節をロックしなかった場合、筋肥大効果はどうなるのか?みたいな研究を見つけたかったのですが、残念ながら見つけることができませんでした。

何か新しいことがわかりましたら、追って報告したいと思います。

 

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