最近、トレーニング業界では「ボリューム」の概念がかなり浸透してきています。ボリュームとは「負荷量」を指しており「持ち上げた重りの合計重量」のことです。
例えば、1日のセッションで100kgを10レップ3セット、というトレーニングでは、
100kg × 10レップ × 3セット
ボリュームは3000kg/日
それを週3回の頻度で行うと、
3000kg × 3回
ボリュームは9000kg/週
となります。
今現在、ボリュームは筋肥大を考察するうえで欠かせない概念となっており、ボリュームに焦点を当てた研究はもちろん、ブログ記事もインターネット上では何枚も見られます。
事実私も、先日(筋肉をつける(筋肥大させる)に適した重さはどれくらい?)というタイトルで、ボリュームに触れた記事を書きました。
その記事の中で「中重量 VS 低重量では、ボリュームを揃えたり、どちらも疲労困憊まで追い込んだ場合、同等の筋肥大が起こる」と記述したのですが、これだけだと説明が不十分だったな、と思う部分があります。
そのため、今回はその不十分だった部分について書いていきたいと思いますが、最初に結論から申しますと「ボリュームを揃えたとしても、軽すぎる負荷では同等の筋肥大は起こらない」というデータが存在します。
論文を見る
詳しくは、上のリンク先をご覧いただきたいのですが、ここでは異なる負荷でボリュームを揃え、筋断面積がどのように変化するかを調べています。
大まかな内容は以下の通りです。
・20代の男性30名が被験者。
・トレーニング歴はなし。
・アームカールとレッグプレスを行う。
・一方の腕と足は20%1RMの負荷で限界まで追い込む。
・もう一方の腕と足は40%・60%・80%1RMのいずれかに設定し、20%1RMと同じボリュームになるまで追い込む。
・週2回で12週間継続。
その結果「20%・40%・60%・80%1RMどの負荷でも筋肥大したが、20%1RMにおいては、他の負荷より筋肥大しなかった」というデータが得られました。
つまり「筋肥大においては、40%〜80%1RMの範囲の負荷を選択しよう」ということです。
まとめ
ボリュームを揃えると、同等の筋肥大が起こる、というデータはいくつもあります。しかし、このように軽すぎる負荷では(具体的には20%1RM)では、他の負荷より筋肥大しなかった、というデータもあります。
つまり、20%1RMのような軽い負荷で、40〜80%1RMと同等の筋肥大を起こそうとする場合は、40〜80%1RMの負荷よりも、さらにボリュームを多くしなければならない、と言い換えることができるわけです。
時間もかかりますし、疲労も大きくなります。
そのため、20%1RMのような軽い負荷に強いこだわりがある場合は別ですが、筋肥大を目的としたトレーニングにおいては、最低でも40%1RM以上の負荷を扱うのが好ましい、と言えるでしょう。