レッグレイズの効果
レッグレイズは、お腹の筋肉である腹直筋、脇腹の筋肉である外腹斜筋・太もも前面の筋肉である大腿直筋など、主にお腹周りの筋群を強化することが可能です。
詳しくは(こちらの日本語文献)を見ていただきたいのですが、下のグラフはレッグレイズを行った際の筋活動を表したものとなっています。
競技力向上においては、体幹の安定性を高めることが可能です。詳しくは(体幹トレーニングの嘘と本当① フィードフォワード機構)をご覧ください。計4回に分けて記事を書いています。
〜レッグレイズの効果のまとめ〜
・ボディメイクにおいては、ボコボコ割れた6パックを作ることができる。
・競技力向上においては、体幹の安定性を高めることができる。
レッグレイズのやり方・効果
スタートポジション
・腹筋台の取っ手やベンチ台を両手でしっかりと握る。
・目線はぼんやりと天井に向ける。
・腰と台の間にスペースを作らないよう、骨盤をやや後傾させる(意識をする)。
・この時膝を少し曲げると、腸腰筋の関係上「骨盤をやや後傾させる(意識をする)」が行いやすい。
・両脚はピタリとくっつける。
スタート〜フィニッシュ
・息を大きく吸い止める。
・息を止めたと同時に肩周り・腕周りの筋群に力を入れ、上半身をガシッと固定する。
・足先で大きな弧を描くよう両脚を持ち上げる。
・太ももと床が垂直になるまで両脚を持ち上げる。
・腹直筋・外腹斜筋を「ググッ」と収縮させる意識をし両脚を持ち上げる。
・両脚を戻し切ってから、もしくは両脚を戻し切る少し手前から息を吐く。
なお、呼吸について詳しく知りたい方は(筋トレでの呼吸の仕方 呼吸はするべきか止めるべきか? バルサルバ法について)をご覧ください。
シットアップやクランチのような上体を起こす種目は基本行わせない
シットアップやクランチと呼ばれる種目があります。レッグレイズ同様、お腹周りの筋群を鍛えることが可能です。
Stuart McGil(スチュアート マギル)という脊柱の専門家がいるのですが、彼はシットアップやクランチなどの脊柱を屈曲させる、つまり「背中を丸めていく運動」に警鐘を鳴らしています。
詳しくは(こちらの英語文献)を見ていただきたいのですが「椎間板ヘルニアは、脊柱の屈伸動作の繰り返しに関係している可能性がある」というデータが存在するためです。
しかし、マギル氏が行った実験では、死んだ豚の脊柱が使用されており、妥当性にかけると異を唱えるトレーナーもいます。
個人的には、マギル氏ではなくそのトレーナーの意見に賛成なのですが、万が一を考え、脊柱の屈曲角度がより少なくて済むレッグレイズを取り入れている、というのが現状です。
最後に
巷では「腹直筋上部を鍛えていくには上体を起こす動作が、腹直筋下部を鍛えていくには脚を持ち上げる動作が、外腹斜筋を鍛えていくにはひねる動作が効果的」と言われています。
しかし、それが当てはまらなかったというデータも多数存在しています。
腹直筋下部を鍛えていくと言われているレッグレイズでも、ある程度満遍なくお腹周りに刺激を入れることができるので、競技力向上を目的としている場合はレッグレイズだけだと不十分ですが、ボディメイクを目的としている場合は、とりあえずレッグレイズ1つをおさえておけば大きな問題はないかなと考えています。
(お腹の上部・下部・脇腹を集中的に鍛える筋トレ種目は何?)では、様々な種目におけるお腹周りの筋活動を記載していますので、興味のある方はご覧ください。