前回「トレーニング後にストレッチを指導することは基本的にありません」という旨のブログを書きました(前回の記事)。
巷では、ストレッチの効果として
・疲労の回復が促進される。
・筋肉痛の予防効果がある。
とされていますが、詳しく調べてみると、どうもそのようなことはなさそうだからです。
しかし、これはあくまでも「基本的に」というだけであり「絶対に指導しない」というわけではありません。ストレッチは、関節可動域を向上させることができるため、状況によっては指導することもあります。
今回の記事は、ストレッチを指導する際の秒数・セット数・頻度について書き綴っていきますが、最初に結論から申しますと、
・セット数:1セット
・頻度:週3回
となっています。
秒数
まずは秒数です。
詳しくは(こちらの英語文献)をご覧いただきたいのですが、
・20〜30代の男女約60名が被験者。
・彼らをいくつかのグループに分ける。
・15秒のストレッチグループ。
・30秒のストレチグループ。
・60秒のストレッチグループ。
・関節可動域がどれほど変化したかを記録。
という研究が実施された結果「30秒と60秒で関節可動域は効果的に改善したが、30秒と60秒の間には有意差は確認されなかった」というデータが得られました。
「60秒の方が、関節可動域がより改善した」という結果であれば、60秒間ストレッチを行った方が良いでしょう。しかし、有意差がなく、関節可動域の改善度合いが同等なのであれば、30秒以降は時間がもったいない気がします。
このような理由から、秒数に関しては「30秒」と指導をしているわけです。
セット数
次はセット数です。
詳しくは(こちらの英語文献)をご覧いただきたいのですが、
・20〜30代の男女約100名が被験者。
・彼らをいくつかのグループに分ける。
・60秒のストレッチを3セットグループ(休憩時間は10秒)。
・30秒のストレッチを3セットグループ(休憩時間は10秒)。
・60秒のストレッチを1セットグループ。
・30秒のストレッチを1セットグループ。
・関節可動域がどれほど変化したかを記録。
という研究が実施された結果「すべてのグループで関節可動域は改善したが、グループ間で有意差は確認されなかった」というデータが得られました。
「3セットの方が、関節可動域がより改善した」という結果であれば、3セットストレッチを行った方が良いでしょう。しかし、有意差がなく、関節可動域の改善度合いが同等なのであれば、1セット以降は時間がもったいない気がします。
このような理由から、セット数に関しては「1セット」と指導をしているわけです。
頻度
最後は頻度です。
詳しくは(こちらの英語文献)をご覧いただきたいのですが、
・20代の男女約30名が被験者。
・彼らをいくつかのグループに分ける。
・週1回のストレッチグループ。
・週3回のストレッチグループ。
・週5回のストレッチグループ。
・関節可動域がどれほど変化したかを記録。
という研究が実施された結果「週3回と週5回で関節可動域は効果的に改善したが、週3回と週5回の間には有意差は確認されなかった」というデータが得られました。
「週5回の方が、関節可動域がより改善した」という結果であれば、週5回ストレッチを行った方が良いでしょう。しかし、有意差がなく、関節可動域の改善度合いが同等なのであれば、週3回以降は時間がもったいない気がします。
このような理由から、頻度に関しては「週3回」と指導をしているわけです。
まとめ
ストレッチのプログラム
・秒数:30秒
・セット数:1セット
・頻度:週3回
もっとも、今回の記事で紹介した研究は、すべてハムストリングスを対象にしています。そのため、例えば大腿四頭筋やヒラメ筋などそのほかの筋にも、このデータが当てはまるとは限りません。
より詳しい情報を手に入れましたら、追って紹介したいと思います。