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筋トレ知識 安定性に関わる要因② 重心と重心線

重心(じゅうしん、英: center of gravity)とは、力学において、空間的広がりをもって質量が分布するような系において、その質量に対して他の物体から働く万有引力の合力の作用点。

引用:Wikipedia

重心

質量を持つ物体には、必ず重心と呼ばれるものがあります。かなり噛み砕いた表現になりますが、この重心は「その物体の中心点」と捉えてもらえれば大きな問題はありません。

私たちヒトも質量を持つ物体に変わりないため、当然に重心が存在しています。

詳しくは(こちらの日本語文献)を見ていただきたいのですが、手を下ろした直立姿勢における重心位置は、身長の55〜56%の高さにあるということがわかっており、おおよその位置は、おへその下あたりです(下の写真左)。

重心は、姿勢によって変化することがわかっているのですが、万歳のように手を挙げた姿勢では上へ、前屈のように身体を折りたたんだ姿勢では前方かつ下へ移動します。

ここで注意していただきたいのは、上の写真右のように、重心は必ず物体内にあるとは限らないということです。

重心線

重心から真下に引いた線は、重心線と呼ばれているのですが、安定している状態では、この重心線は必ず支持基底面内に存在しています

一方、姿勢を変え、重心線が支持基底面から外れた場合は転倒することになります。

重心及び重心線が安定性に及ぼす影響

(安定性に関わる要因① 支持基底面の大きさと形状)で、安定性に関わる要因に支持基底面の大きさと形状があると説明しましたが、そのほかの要因としてあげられるのがこれら重心と重心線で、

・重心の位置が低くなるほど安定性は高まる
・重心線の位置が支持基底面の中央に位置するほど安定性は高まる

ということがわかっています。

よく、子供はステンと転びますが、あれは「脚周りの筋力の少なさ」や「立位・歩行に慣れていない」の他に「顔が大きくて重心が高い」という理由が挙げられます。

まとめ

安定性に関わる要因として、

・支持基底面の大きさ(大きくなるほど安定性は高まる)
・支持基底面の形状(長くなるほどその方向における安定性は高まる)
・重心の高さ(低くなるほど安定性は高まる)
・重心線の位置(支持基底面の中央に位置するほど安定性は高まる)

の4つを説明しましたが、これらを理解しておくのとしておかないのでは、トレーニングの質に大きな差が出てくることがあります。

例えば、スクワットにおいて前方に潰れる癖のついている方は、重心線の位置がつま先側にあると判断でき、かかと寄りの荷重を意識してもらうことによって、その状況を回避することが可能です。

必須の知識ではありませんが、トレーニングの質を高めればより高い効果が期待できますので、覚えておくに越したことはないでしょう。