筋力トレーニングの耳寄り情報を発信するブログです。国内外の論文をはじめ、これまでの指導・自身の経験をもとに記事を作成しています。

主働筋・協働筋・拮抗筋とは?筋トレで知っておきたい用語の解説

この前、最近トレーニングを始めた知人に、主働筋・協働筋・拮抗筋について聞かれたため、今回はそれらについて記事を書き綴っていきたいと思います。

用語解説

主働筋

おそらく、ある程度トレーニングの経験をお持ちの方は、一度は聞いたことがあると思いますが、主働筋とは「とある動作において、中心的な役割を持つ筋肉」になります。言い換えるならば「あるトレーニングにおいて、メインで働く(=鍛えることのできる)筋肉」が主働筋です。

協働筋

とある動作において、補助的な役割を持つ筋肉」が協働筋です。「あるトレーニングにおいて、サブで働く(=鍛えることのできる)筋肉」とも言い換えることができます。

拮抗筋

最後は拮抗筋についてですが、これは「とある動作において、主働筋とは反対の作用を持つ筋肉」になります。簡単に言うと「対(つい)となる筋肉」が拮抗筋です。

具体例

ではここから、代表的なエクササイズであるスクワットを例に取り、主働筋・協働筋・拮抗筋の具体例を挙げていきます。

まず、スクワットにおける筋活動は以下の通りです(詳しくはこちらの英語文献を参照)。筋活動は「筋肉の働き具合」とお考えください。

そのため、スクワットでは

主働筋:大腿四頭筋・大臀筋
協働筋:ハムストリングス

と言うことができるでしょう。

そして、各筋肉における作用は

大腿四頭筋:股関節屈曲・膝関節伸展
大臀筋:股関節伸展
ハムストリングス:股関節伸展・膝関節屈曲

となっているため、拮抗筋は

大腿四頭筋→大臀筋・ハムストリングス
大臀筋→大腿四頭筋
ハムストリングス→大腿四頭筋

このようになります。

主働筋と協働筋に明確な線引きはない

「主働筋はメインで、協働筋はサブで働く筋肉」と先述をしましたが、実はこれらには「主働筋は〇〇以上の働き、協働筋は□□未満の働き」といったように、明確な線引きはありません。

「収縮期血圧が140mmhgを超えると高血圧」といったような基準が存在しないのです。

そのため、主働筋と捉えるか協働筋と捉えるかは、結局のところその人次第になります。

例えばベンチプレスでは、大胸筋が主働筋で、上腕三頭筋と三角筋前部が協働筋と一般的に知られているのですが、トレーニングの教育団体であるNESTAでは、大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部を全て主働筋と位置付けています。

出典:NESTA パーソナルフィットネストレーナー 日本語版より引用

また、もし明確な線引き、つまり基準ができたとしても、それはあまり意味を成さないかもしれません。

と言うのは、筋肉の働き具合は、フォーム・扱う重量・局面・可動域…でも大きく変わるためです。

例えば、詳しくは(こちらの英語文献)を見ていただきたいのですが、ここではスクワットのしゃがむ深さにおける筋活動の違いを調べています。その結果、大臀筋は、挙上局面において深くしゃがむほど活動が増大することが確認されました。

そのため、少なくとも主働筋や協働筋においては「こんな考え方もあるんだな」程度の純粋な知識レベルに留めておき「スクワットの主働筋はどこどこ、ベンチプレスの協働筋はどこどこ」といったように、バッツリ区別する必要性は少ないと考えています。

まとめ

主働筋:とある動作において、中心的な役割を持つ筋肉。あるトレーニングにおいて、メインで働く(=鍛えることのできる)筋肉。
協働筋:とある動作において、補助的な役割を持つ筋肉。あるトレーニングにおいて、サブで働く(=鍛えることのできる)筋肉。
拮抗筋:とある動作において、主働筋とは反対の作用を持つ筋肉。対(つい)となる筋肉。