トレーニングは、筋力及び筋断面積の増加をもたらしますが、それらの効果はいつ頃現れるのでしょうか?実感できるまでの日数はどれくらいなのでしょうか?
今回の記事は「トレーニングを開始してから、トレーニングの効果が現れるまでの&実感できるまでの期間」について書き綴っていきますが「筋力は10日、筋断面積は20日もあれば増加する」というデータが存在します。
データを見てみる
詳しくは(こちらの英語文献)を見ていただきたいのですが、
・20歳前後の男女が対象。
・トレーニングを実施。
・種目はレッグエクステンション。
・7レップ4セット。
・週3回の頻度で35日間継続。
・定期的に筋力や大腿四頭筋の断面積を計測。
・計測日はトレーニング10日目・20日目・35日目。
という実験が行われました。その結果は以下の通りです。
出典:Seynnes OR, et al. Early skeletal muscle hypertrophy and architectural changes in response to high-intensity resistance training.
まずは、最大筋力の変化を見ていただきたいのですが、10日目で著しく増加しているのがわかります。緑矢印のところです。
今度は、筋断面積の変化を見ていただきたいのですが、有意差はないものの10日目で微増しているのがわかります。黄矢印のところです。そして、赤矢印の20日目では有意に増加しているのが確認できます。
・筋断面積:有意差はないものの10日目で微増。20日目では有意に増加。
まとめ
「筋力は10日、筋断面積は20日もあれば増加する」というデータを紹介しましたが、トレーニング初期における筋断面積の増加は「筋肉量の増加」ではなく「edema-induced muscle swelling」つまり「浮腫による筋肉の膨らみ」であるという報告が存在します(詳しくはこちらの英語文献を参照)。
浮腫とは「トレーニングを行うことによって損傷した筋肉の細胞内から、水分が漏れ出し溜まった状態」のことで「増えるワカメが水分で膨張した状態」とイメージするとわかりやすいかもしれません。
そのため「本当の意味での筋断面積の増加」と言いますか「筋肉がしっかりとつく」までには「だいたい2〜3ヶ月前後かかる」という認識を持っておいた方が良いでしょう。
もっとも、トレーニングの効果には(筋トレの効果には個人差が存在することを知っておこう)で記載した通り個人差がありますし、トレーニング内容(可動域や強度・頻度など)のほか栄養状態も影響するため「2〜3ヶ月」という数値は、あくまでも目安にしておくようにしてください。