おそらく、ボディメイク目的で筋トレをされている方の多くは、ベンチプレスを取り入れられているかと思います。
ベンチプレスは「上半身の60%を鍛えることができるエクササイズ」と言われており、人気ではまず間違いなくNo.1でしょう。
グリップ幅を変えたり、角度を変えたり、持ち方を変えたりと、バリエーションが豊富な点も魅力的です。
今回の記事は、上腕三頭筋を集中的に鍛えることができる、と言われている「ナローベンチプレス」について書き綴っていこうと思いますが、最初に結論から申しますと「ナローベンチプレスは上腕三頭筋を鍛えるのに効果的」と考察できるデータが存在します。
そもそもナローベンチプレスとは?
本題に入る前に、ナローベンチプレスについて確認をしていきたいと思いますが、ナローベンチプレスは「手幅を狭めたベンチプレス」のことです。
一般的には、肩にあるポコっとした出っ張りの、肩峰(けんぽう)と呼ばれる部分の幅と同程度のグリップ幅に設定されます。
腕が、地面と垂直 or ほぼ垂直になるグリップだと思っていただければ問題ありません。
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ナローベンチプレスの確認が済んだところで、本題に入っていきたいと思いますが、異なるグリップ幅が筋肉の活動にどのような影響を及ぼすのかを調べた研究はいくつかあります。
詳しくは(こちらの英語文献)をご覧いただきたいのですが、ここではナローグリップとワイドグリップ(肩峰幅200%)でベンチプレスを行い、上腕三頭筋の筋活動を比較しています。
その結果、上腕三頭筋はナローベンチプレスでより大きく活動しました。
また、詳しくは(こちらの英語文献)も見ていただきたいのですが、ここではナローグリップとワイドグリップとミドルグリップ(肩峰幅150%)でベンチプレスを行い、上腕三頭筋の筋活動を比較しています。
その結果、ここでも上腕三頭筋はナローベンチプレスでより大きく活動しました。
このようなデータが存在するため、ナローベンチプレスは上腕三頭筋を鍛えるのに効果的、と判断しても問題ないでしょう。
大胸筋は?
「ナローベンチプレスは上腕三頭筋を鍛えるのに効果的、と判断しても問題ないでしょう」と先述しましたが、ここで1つ注意していただきたいことがあります。それは、大胸筋の活動です。
先ほど紹介した2つの研究では、大胸筋の活動も調べているのですが、全体的な大胸筋の活動の減少は確認されていません。つまり「ナローベンチプレスであったとしても、大胸筋はしっかり活動していた」ということです。
確かに、ナローベンチプレスは上腕三頭筋を鍛えるのに効果的ではありますが、大胸筋を鍛える効果も十分にある、ということを覚えておきましょう。
ナローベンチプレスのメリット
ナローベンチプレスは、上腕三頭筋に加え大胸筋もしっかりと鍛えることができるわけですが、ミドルグリップやワイドグリップを取り入れず、あえてナローグリップを取り入れるメリットには何があるのかというと「肩の怪我の予防」が挙げられます。
これは、以前(こちらの記事)に書いているのでご覧いただきたいのですが、グリップ幅が肩峰幅の150%よりも広いと、肩に痛みを発生させるリスクが高まることが確認されています。
ナローベンチプレスは、グリップ幅が肩峰幅と同程度ですので、肩の怪我を予防することができると考察することが可能です。
実際、ベンチプレスで肩を痛めている人にナローベンチプレスをオススメしたところ、肩の痛みがない、というフィードバックをもらったこともあります。
最後に
ここまで書き綴ってきてなんですが、ベンチプレスにおける「効き方」は、グリップ幅・角度・持ち方だけでなく、軌道・バーベルを下ろす位置・負荷など、様々な要因が絡んでくるはずです。
そのため、やり方によっては、もしかするとナローベンチプレスでも上腕三頭筋への効果を感じられない場合もあるかもしれません。
詳しいことが分かりましたら、また追って紹介したいと思います。