タンパク質は食事とプロテインどっちで摂取すべきか

 

トレーニングの指導をしていると、しばしばタンパク質やプロテインについての質問を受けます。具体的な内容としては「タンパク質は1日あたりどれほど摂取すれば良いのか?」「プロテインにはいくつか種類があるが何が良いのか?」などです。

そのような質問を受けた場合は、以下のようにお答えしています。

・1日摂取量:体重×2g
・摂取頻度:3〜4時間おき
・摂取回数:6回前後
・押さえておきたい摂取タイミング:起床直後・就寝直前・トレーニング直後
・1回摂取量:体重×0.25gもしくは20〜40g
・品質:肉(牛・豚・鶏)や卵などの動物性タンパク質
・プロテイン:ホエイプロテインとカゼインプロテイン(ソイプロテインはオススメしていない)
・ホエイプロテインの摂取法:体重×0.25gもしくは20〜40gを起床直後とトレーニング直後に摂取
・カゼインプロテインの摂取法:30〜40gを就寝直前に摂取

先日のことですか、とあるお客様から「プロテインは一切飲まないで、食事だけでタンパク質を摂ることはダメですか?」や「食事をほとんど摂らず、ほぼプロテインしか口にしていないという人がいるんですが、それって良いんですか?」などの質問を受けました。

今回の記事は、それらについて書き綴っていきますが、最初に結論から申しますと、

・食事を全くorほぼ摂らずプロテインだけを飲むパターン→オススメできません
・プロテインを全くorほぼ飲まず食事だけを摂るパターン→問題ありませんがあまりオススメしていません
・食事を摂りプロテインも飲むパターン→オススメです

となっています。

食事を全くorほぼ摂らずプロテインだけを飲むパターン

このパターンについてはオススメできません。なぜなら、プロテインはあくまでタンパク質を主成分としたサプリメントに過ぎず、糖質(炭水化物)などそのほかの栄養素が間違いなく不足するためです。

詳しくは(こちらの英語文献)を見ていただきたいのですが、糖質はトレーニングを行う上でエネルギーとなることがわかっております。つまりは、車でいうところのガソリンです。

今よりも筋肉量を増やす、つまり筋肥大や筋力の向上を起こそうとした場合は「筋肉の材料となるタンパク質の十分な摂取」のほか「筋肉に刺激を与えるトレーニング」も必要になります。そのため、食事を全くorほぼ摂らずプロテインだけを飲むという行動は「筋肉に刺激を与えるトレーニング」の質を下げてしまうわけです。

もっとも「明後日は生涯一度の結婚式。可能な限り引き締まった身体で臨みたい。そのため、今日と明日はプロテインだけで過ごす」というように、何か特別な理由があり期間が限定されているのでしたら、大きな問題はないでしょう。

しかし、ごくごく日常において、食事を全くorほぼ摂らずプロテインだけを飲むという行動は、やはりオススメできません。

 

プロテインを全くorほぼ飲まず食事だけを摂るパターン

詳しくは(こちらの英語文献)を見ていただきたいのですが、

・50歳前後男女30人が被験者。
・平均身長は170cmちょっと。
・平均体重は100kg近く。
・2つのグループに分ける。
・1つは食事+ホエイプロテイン3回グループ。
・1つは食事のみグループ(低脂肪の肉や卵など)。
・タンパク質の摂取回数はどちらのグループも1日6回
・レジスタンストレーニング(筋トレ)、インターバルスプリント、ストレッチ(ヨガやピラティス)、有酸素運動をそれぞれ週に1回実施。
・16週間継続。

という実験が行われた結果「どちらのグループも筋力の向上・体組成の有意な改善が見られたが、群間に差はなかった」というデータが得られました。つまりは、どちらのグループも同等の変化をもたらすとのことです。

出典:Arciero PJ, et al. Protein-Pacing from Food or Supplementation Improves Physical Performance in Overweight Men and Women: The PRISE 2 Study. Nutrients. 2016 May 11;8(5).

もっとも、筋肉のタンパク質合成には必須アミノ酸が必要で、中でもロイシンが重要となるのですが、ホエイプロテインは必須アミノ酸やロイシンの濃度(含有量)が様々な食品の中で一番高いことがわかっております。そのため、さらに長い期間の実験では、食事のみグループではなく、食事+ホエイプロテイン3回グループに軍配が上がるのではないかと私は考察しています。

しかし、このように「群間に差はなかった」というデータが存在するため、ある程度高いレベルで食事をコントロールできるのであれば、ホエイプロテインからタンパク質を摂取する方が効果的であったとしても、そこまで大きいものではないでしょう。

ただ、ある程度高いレベルで食事をコントロールすることは、現実問題なかなかに難しいはずです。

1日あたり6回、1回あたり20〜40gのタンパク質を摂取されることを私はオススメしていますが、例えばその中間である30gのタンパク質を摂取しようとした場合、豚肩ロース赤肉ではおおよそ150g必要となります(カロリーSlism)。もちろん、生で食べるわけにはいかないため調理をする必要があるわけですが、この調理は相応に手間暇がかかります。お仕事をされている人であれば、調理の時間を確保できないこともあるでしょう。

また、豚肩ロース赤肉を150g食す場合、タンパク質と同時に脂質も摂取することになります。(カロリーSlism)によると、豚肩ロース赤肉100gあたりの脂質は7.8gとなっているため、おおよそ12gの脂質を摂取することになります。

もっとも、脂質は人体におけるエネルギー産生の基質であり、細胞膜を構成する成分でもあるため、必要不可欠な栄養素には違いありません。しかし、場合によっては過剰に摂取してしまい、肥満の原因となってしまうこともあります。もちろん、脂身の部分を完全に除去すれば脂質の過剰摂取を気にする必要は無くなりますが、これはこれで手間暇がかかってしまいます。

このような理由から、このパターンについては「問題ありませんがあまりオススメしていません」となっているわけです。

 

食事を摂りプロテインも飲むパターン

私は、このパターンをオススメしています。「プロテインを全くorほぼ飲まず食事だけを摂るパターン」で挙げた問題点を、クリアすることが可能だからです。

調理における手間暇

調理には相応に手間暇がかかりますが、プロテインは粉末を溶かすだけ、つまりジュース感覚でタンパク質を摂取することができます。非常に手軽で時間がかかりません。

脂質の過剰摂取

プロテインはタンパク質を精製して作られたサプリメントであるため、脂質の過剰摂取を気にする必要は無くなります。

メーカー:ザバス
商品名:プロ クリアプロテインホエイ100
内容量:840g
価格:8,208円(税込)
g価格:9.77円

上は、ザバスから発売されている「プロ クリアプロテインホエイ100」の主要栄養成分を表したものですが、1食分21gあたりタンパク質は19.4gと豊富ですが、脂質はなんと0gです。

 

個人的にオススメのプロテイン

プロテインには、ホエイプロテイン・カゼインプロテイン・ソイプロテインなどいくつか種類があるのですが、起床直後とトレーニング直後にホエイプロテインを、就寝直前にカゼインプロテインを飲まれることを私はオススメしています。

しかし、これらのプロテインは様々なメーカーから発売されており、さらに、ホエイプロテインに関してはその製品の作り方、つまり「製法」の違いから、

・WPI(ホエイプロテインアイソレート)
・WPC(ホエイプロテインコンセートレート)
・WPH(ホエイプロテインハイドロリセート)
・CFM(クロスフィルターマイクロフィルトレーション)

に分けられ「もう種類が多すぎて、どれを飲んだら良いかわからない」という状況に陥ってしまう方も珍しくありません。そのため、個人的にオススメのプロテインを紹介したいと思います。ただ、ここで紹介するプロテインは「効果」だけではなく「価格」や「味」「お腹への刺激」(下痢になりやすいかどうか)などを考慮したものとなっています。

ホエイプロテイン

メーカー:バルクスポーツ
商品名:NEW!アイソプロ
内容量:1kg・2kg・10kgなど
価格:2,860〜32,058円(税抜き)
フレーバー:イチゴミルク・ココアミルク・バニラアイスなど計6種類
25gあたりの内容成分:タンパク質21.6g・脂質0.4g・炭水化物1.0g

カゼインプロテイン

メーカー:バルクスポーツ
商品名:ビッグカゼイン
内容量:1kg・2kg・10kgなど
価格:3,753〜32,058円(税抜き)
フレーバー:キャラメル・マンゴー・チョコレートなど計3種類
30gあたりの内容成分:タンパク質21.9g・脂質0.5g・炭水化物4.8g

 

まとめ

「食事を摂りプロテインも飲む」というパターンをオススメしているわけですが「食事とプロテインどちらが重要ですか?」と聞かれたら、間違いなく「食事です」と答えます。

確かに、プロテインには上に挙げたようなメリットがいくつか存在します。しかし、プロテインだけでは糖質(炭水化物)などそのほかの栄養素が間違いなく不足します。

何よりも食事が重要。そして、食事だけでは補えない部分をプロテインでカバーする」という考えを持つようにしましょう。

・食事を全くorほぼ摂らずプロテインだけを飲むパターン→オススメできない。
・なぜなら、糖質(炭水化物)などそのほかの栄養素が間違いなく不足するから。
・プロテインを全くorほぼ飲まず食事だけを摂るパターン→問題ないがあまりオススメしていない。
・なぜなら、調理には相応に手間暇がかかり、脂質の過剰摂取にも気をつけなくてはならないから。
・食事を摂りプロテインも飲むパターン→オススメできる。
・なぜなら、上に挙げた問題点をクリアすることが可能だから。
・プロテインには食事にはないメリットが存在するが、重要度は食事>プロテイン。

 

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