トレーニング前の準備運動の仕方について、計3回に分け書き綴ってきました。今回の記事は、それらをまとめていきたいと思います。
まずは身体を温めよう
トレーニング前の準備運動として、まずは身体を温めることをオススメしています。
身体を温めることで、
・傷害を予防する可能性がある。
というデータが存在するためです。
では、一体どのような方法で身体を温めれば良いのかと申しますと「アクティブウォームアップ」です。
アクティブウォームアップは「能動的ウォームアップ」とも呼ばれており「ランニング」や「サイクリング」などが該当します。
つまり「自ら筋肉を動かし、その際に発生した熱を用いて身体を温める」これが、アクティブウォームアップです。
アクティブウォームアップマニュアル
・強度:最大酸素摂取量の40〜60%(心拍数としては、だいたい110〜120)。感覚としては「きつくはない。かといってめちゃくちゃ楽ってわけでもない。まあ、ほどほどかな」程度。
・時間:10〜20分。
次は関節可動域を広げよう
トレーニング前の準備運動として、次は関節可動域を広げることをオススメしています。
・可動域を大きく取るスクワットは、可動域を小さく取るスクワットよりも様々な部位で筋肉量が増加する。
・可動域を大きく取るスクワットは、可動域を小さく取るスクワットよりもジャンプ力が増加する。
というデータが存在するためです。
では、一体どのような方法で関節可動域を広げれば良いのかと申しますと「ダイナミックストレッチ」です。
ダイナミックストレッチは「動的ストレッチ」とも呼ばれており「ウォーキングランジ」「ニートゥチェスト」などが該当します。「関節を大きく動かしながらも、筋肉を伸ばす」これが、ダイナミックストレッチです。
Dynamic Stretching for Athletes
ダイナミックストレッチマニュアル
・種目:「その日のトレーニングで使う関節」を見極め、それらの関節を集中的に動かす種目を取り入れる。つまり、その日のトレーニングでスクワットを行うのであれば「股関節」を集中的に動かす種目を取り入れる、ということ。
(例)スパイダーマンランジ
・回数:10回/2セット(計20回)。
・セット間休憩時間:特に指定なし。
最後はそのエクササイズを軽い負荷で行おう
トレーニング前の準備運動として、最後はそのエクササイズを軽い負荷で行うことをオススメしています。
そのエクササイズを軽い負荷で行うことで「トレーニングにおける往復回数の合計値が大きくなる」というデータが存在するためです。
なお、そのエクササイズ(もしくは、そのエクササイズに類似したエクササイズ)を軽い負荷で行うことは「特異的ウォームアップ」と呼ばれています。
特異的ウォームアップマニュアル
重量:30%1RM以下から始め、10〜30%の間隔で増やす。
回数:その重量における最大往復回数の半分以下。
セット数:3〜6セット。
セット間休憩時間:1〜3分。
<スクワットで100kg挙上できる方における、具体的な重量・回数・セット数・セット間休憩時間の例>
①
1セット目:20kg(シャフトだけ)で10回。
2セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、50kgで5回。
3セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、70kgで3回。
4セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、90kgで1回。
5セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、80kgで8回(本番)
②
1セット目:20kg(シャフトだけ)で10回。
2セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、50kgで5回。
3セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、60kgで4回。
4セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、70kgで3回。
5セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、80kgで2回。
6セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、90kgで1回。
7セット目:1〜3分ほど休息を挟んだのち、80kgで8回(本番)
まとめ
トレーニング前の準備運動、特にアクティブウォームアップとダイナミックストレッチは、軽視される印象があります。確かに、準備運動とはいえどそれ相応の時間がかかるため、致し方ないことなのかもしれません。
しかし、準備運動には行う意味がしっかりあります。そのため、極力取り入れることを心がけましょう。
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(筋トレ前の準備運動の仕方 Part.1 アクティブウォームアップ)
(筋トレ前の準備運動の仕方 Part.2 ダイナミックストレッチ)
(筋トレ前の準備運動の仕方 Part.3 特異的ウォームアップ)
(筋トレ前の準備運動の仕方 まとめ)