筋力トレーニングの耳寄り情報を発信するブログです。国内外の論文をはじめ、これまでの指導・自身の経験をもとに記事を作成しています。

食事制限が辛い時はメリットではなくベネフィットを再認識しよう

私は、トレーニング指導の専門家ですが、特にボディメイク(ダイエット)を目的としている方に対しては、食事や栄養についても詳しくアドバイスを行います。

食事や栄養の重要度を知ってもらうことで、効果をより高めることができるからです。と言いますか、食事や栄養をおろそかにしていると、効果は出ません。

基本的に、パーソナルトレーニングを受講される方は、一般的に安いとは言えない料金を支払っている = やる気が満ちているため、ちょっとやそっとの食事制限では音を上げません。

もちろん、多少の波はありますが、ほぼ忠実にアドバイスを守ってくれます。

しかし、パーソナルトレーニングを受講していたとしても、うまく食事を制限することができない方も稀にいらっしゃいます。

では、そんな時はどうしているのかというと、メリットではなくベネフィットを再認識してもらっています。そうすると、少なくとも私の経験上、うまく食事を制限することができます。

ドリルを買う人は何が欲しいの?

とあるホームセンターで、ドリルを買った男性がいたとします。さて、彼は一体「何」が欲しかったと思いますか?

少しお考えになってから、下の「正解を見る」を押してみてください。

正解を見る
ごくごく普通に考えれば「ドリル」が答えになりますが、マーケティングの世界では少し違います。正解は「穴」です。ドリルが欲しくてドリルを買ったのではなく、穴が欲しくてドリルを買った、ということです。

よって

ドリル:手段
穴:目的

と捉えることができます。

そして「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」この文章は、マーケティングの世界では格言として知られています。

では、なぜこの文章が格言として知られているのかというと、お客様の「本質的な目的」を見極める大切さを表しているから、です。

つまり、売り手側に対して「お客様が真に求めているものを把握する重要性」を説いているわけです。

では、なぜこの文章が格言として知られているのかというと、お客様の「本質的な目的」を見極める大切さを表しているから、です。

つまり、売り手側に対して「お客様が真に求めているものを把握する重要性」を説いているわけです。

メリットとベネフィットとは?

ドリルと穴の話は一旦終了し、次はメリットとベネフィットについて触れていきますが、その商品を買って得られる直接の利点はメリットメリットからさらに得られる利点はベネフィット、と呼ばれています。

英会話教室を例にとると「効率的に発音や文法を覚えられる」がメリット、「たくさんの外国の方と上手にコミュニケーションが取れる。楽しい」がベネフィットです。

よって、メリットは「効果」ベネフィットは「体験」とも捉えることができます。

そして、マーケティングの世界では、メリットはもちろんですが、それ以上にベネフィットを伝えることが大切とされています。

なぜなら、ベネフィットは、そのお客様における「本質的な目的」であり、真に求めているものと考えられているからです。

パーソナルトレーニングのメリットとベネフィット

とあるダイエット専門のパーソナルジムで、24回コースを買った女性がいたとします。さて、彼女は一体「何」が欲しかったと思いますか?

もうお分かりかと思いますが、彼女は「24回コース」が欲しかったわけではありません。

彼女が欲しかったのは「メリハリのあるボディライン」や「美しいシルエット」であり、さらに言うなれば「オシャレができるスタイル」や「異性からの好意的な視線」です。

つまり、パーソナルトレーニングにおけるメリットは

・効果的なトレーニングを指導してもらうことで、メリハリのあるボディラインを手に入れることができる。
・食事や栄養について詳しくアドバイスしてもらうことで、美しいシルエットを手に入れることができる。

となり、ベネフィットは

・スタイルが良くなったことで、少し露出度の高いドレスやワンピースもオシャレに着こなせる→楽しい。
・美しいボディラインになったことで、異性から好意的な視線を向けられる→嬉しい。

となります。

お客様は、このようなベネフィットを求めて、パーソナルトレーニングを受講しているわけです。

メリットではなくベネフィットを再認識してもらう

では、ここから本題に入っていきますが、食事をうまく制限することができる方とできない方では、ベネフィットの認識度合いに差があります。

つまり、うまく食事を制限することができない方は、ベネフィットの認識が薄れてきている、ということです。

そもそも、なぜパーソナルトレーニングを受講したのか、本質的な目的を見失っている、とも言えます。

そのため、そのようなお客様に対しては、本人からのお話をしっかりと聞いたうえで、もう一度本質的な目的 = ベネフィットを再認識するところからはじめましょう、と声がけしています。

そうすると、少なくとも私の経験上、うまく食事を制限することができます。食事制限が、大きな苦ではなくなるのです。

まとめ

・マーケテイングの世界には「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」という格言がある。
・この格言は、お客様の「本質的な目的」を見極める大切さを表している。
・その商品を買って得られる直接の利点はメリット、メリットからさらに得られる利点はベネフィット、と呼ばれている。
・マーケティングの世界では、何よりもベネフィットを伝えることが大切とされている。
・なぜなら、べネフィットはそのお客様における「本質的な目的」であるため。
・うまく食事を制限することができない方は、ベネフィットの認識が薄れてきている。
・ベネフィットを再認識することで、うまく食事を制限することができるようになる。

最後に1つお話ししたいことがあるのですが、なぜベネフィットを再認識することで、うまく食事を制限することができるようになるのかというと、正直なところはっきりわかりません。

ただ、おそらくですが、ベネフィットを再認識することで→明るい未来をより明瞭にイメージすることができ→

明るい未来 > 今の苦痛

このような力関係となり→積極的に食事を制限するようになるのではないかと考えています。

※今回の記事は、完全に私の経験論になりますが、ぜひ利用してみてください。