トレーニングで筋肉をつけたいのであれば、例えばセット数・セット間休憩時間など、様々な変数に気をつける必要があります。なぜなら、筋肉のつき具合は、それらの変数で大きく変わってくるためです。
今回の記事は、変数の中でもおそらく一番気になるであろう「重さ」について書き綴っていきますが、最初に結論から申しますと、筋肉をつけたいのであれば、基本的には中重量を、つまり「75%1RM前後で10回前後反復できる重さ」をオススメしています。
このような主張をする理由をこれからお話ししますが、ここでは、
・〜15回反復できる重さ:中重量
・15回〜反復できる重さ:低重量
と定義し進めていきます。
重さの違いが筋肥大にもたらす影響
重さの違いが筋肥大にどのような影響をもたらすかを調べた研究は、実はたくさんあります。詳しくは(こちらの英語文献)や(こちらの英語文献)をご覧ください。
それらを私なりにまとめたものが以下です。
・高重量 VS 中重量では、セット数が同じ場合、中重量の方が筋肥大が起こる。
・高重量 VS 中重量では、ボリュームを揃えた(高重量のセット数を増やした)場合、同等の筋肥大が起こる。
・中重量 VS 低重量では、ボリュームを揃えたり、どちらも疲労困憊まで追い込んだ場合、同等の筋肥大が起こる。
つまり、高重量でも中重量でも低重量でも「最終的には同等の筋肥大を起こすことができる」ということになります。
高重量と低重量のデメリット
先ほど、重量が違えど「同等の筋肥大を起こすことができる」と記載しましたが、私は中重量をオススメしています。では、なぜオススメしているのかというと、高重量と低重量にはデメリットがあるためです。
高重量
高重量では、中重量と同等の筋肥大を起こす場合、セット数を増やしボリュームを揃える必要があるため、セット間休憩時間の関係上、時間が倍以上かかります。
通常、トレーニングでは1種目ではなく複数の種目を行いますので、メニュー内容によっては、1回のワークアウトにつき、1時間以上長くトレーニング時間が取られることも考えられます。
低重量
トレーニング歴の長い方であれば、もうすでにご存知だとは思うのですが、低重量でのトレーニングは、かなりの「しんどさ」を伴います。
低重量ということは1レップごとの負荷は減りますが、その分反復回数が増えるため、より長い時間負荷に耐える必要があります。筋肉面の疲労だけでなく、適切なフォームも長い時間意識しなければいけないため、集中力=精神面の負担も考えられます。
そして実際、中重量と低重量のトレーニングでは「低重量の方が疲労感や不快感が大きかった」というデータも存在するほどです(詳しくはこちらの英語文献を参照)。
最後に
「高重量だと時間がかかり、低重量だとかなりしんどくなる」という理由から、私は中重量をオススメしています。
ただ、1つ注意していただきたいことがあるのですが、これはあくまでも「基本的に」というだけであり、何も絶対ではありません。
例えば「高重量では中重量よりも、より筋力を増加させることができる」とのデータが存在するため、時には高重量を取り入れるのもアリでしょう(こちらの英語文献を参照)。
また、詳しくは(こちらの英語文献)もご覧いただきたいのですが、統計学的な有意差は無いものの、二頭筋においては「中重量よりも低重量の方が、筋肉量は増加するかもしれない」と考えられるデータも存在するため、部位によっては、低重量を取り入れた方が良いかもしれません。
さらに、ピリオダイゼーション(期ごとにメニューを変える)を取り入れた方が「長期的には筋肥大しやすいかもしれない」と考えられるデータも存在します(こちらの英語文献を参照)。
しかし、先述したとおり、高重量と低重量にはデメリットがありますので、とりあえずは中重量を中心のメニューを組み、そのあとで臨機応変に対応するのがよろしいのでは無いかと思います。