肩を鍛えるサイドレイズで僧帽筋ではなく三角筋に効かせるコツ

 

肩を鍛える種目に「サイドレイズ」と呼ばれるものがあります。映画タイタニックで有名なワンシーンのように、上腕を外へ広げる種目です。

今回の記事は「僧帽筋上部に効いちゃって三角筋中部に効かないの対処法」を、つまり「僧帽筋上部ではなく三角筋中部に効かせるコツ」を書き綴っていきます。

最初に結論から申しますが、そのコツは、

・上腕を地面と水平まで持ち上げない(30〜45°でストップ)。
・肩をすくめない(なで肩をキープ)。

の2点です。

上腕の外転と肩甲上腕リズム

上腕を外へ広げる動きは外転と呼ばれているのですが、この外転を行うためには肩関節肩甲骨の運動が必要になります。肩関節と肩甲骨がどのように運動し、外転を達成しているかを表したものが下のイラストと動画です。

イラストで分かりづらい人は、ぜひ動画をご覧ください。すごく分かりやすいはずです。

〜30°外転の範囲では肩関節のみが運動するのですが、それ以降は肩甲骨もプラスされます。30°外転以降は肩関節:肩甲骨=2:1の比で運動することが確認されており、これが肩甲上腕リズムです。

なお、肩甲上腕リズムには個人差があり、上に挙げた数値が絶対というわけではありません。例えば(こちらの実験)では、

・15°外転:肩関節:肩甲骨=3:1
・90°外転:肩関節:肩甲骨=1.8:1
・150°外転:肩関節:肩甲骨=1.4:1

となっています。

そのため「〜30°外転の範囲では肩関節のみが運動する」「30°外転以降は肩関節:肩甲骨=2:1の比で運動する」といったこれらの数値は、あくまでも目安として捉えるようにしてください。

 

肩甲骨の上方回旋は僧帽筋上部が関与する

肩甲上腕リズムで見られる肩甲骨の動きは上方回旋と呼ばれているのですが、この上方回旋には僧帽筋上部が関与します。90°外転、つまり上腕を地面と水平まで持ち上げると、僧帽筋上部にも効いてしまうのです。

肩関節屈曲・外転における肩甲骨周囲筋の筋活動パターン~鎖骨肩甲上腕リズムに着目して~

一番上のグラフTuは僧帽筋上部を、下から二番目のグラフDmは三角筋中部を、枠上に表記されている数字は外転角度を表していますが、30°外転時は僧帽筋上部の活動はほぼありません(青矢印)。一方、三角筋中部は活動しているのが観察できます(赤矢印)。

そのため「僧帽筋上部ではなく三角筋中部に効かせるコツ」として「上腕を地面と水平まで持ち上げないように(30〜45°でストップ)」を挙げたわけです。

・外転を行うためには肩関節と肩甲骨の運動が必要となる→
・あくまでも目安ではあるが、30°外転以降は肩関節:肩甲骨=2:1の比で運動する(肩甲上腕リズム)→
・肩甲上腕リズムで見られる肩甲骨の動きは上方回旋と呼ばれる→
・上方回旋には僧帽筋上部が関与する→
・ゆえに、上腕を地面と水平まで持ち上げると僧帽筋上部にも効いてしまう。

 

肩甲骨の挙上は僧帽筋上部が関与する

肩をすくめる、いわゆる「いかり肩」になるよう肩を引き上げる肩甲骨の動きは挙上と呼ばれているのですが、この挙上にも僧帽筋上部は関与します(参考文献:NESTA PFT TEXT)。

そのため「僧帽筋上部ではなく三角筋中部に効かせるコツ」として「肩をすくめないように(なで肩をキープ)」を挙げたわけです。

 

まとめ

ここでは「僧帽筋上部ではなく三角筋中部に効かせるコツ」として「上腕を地面と水平まで持ち上げない(30〜45°でストップ)」を紹介しましたが、トレーニングでは、基本的に可動域を大きく取られることをオススメしています(筋トレでは取る可動域で効果は変わるか?可動域を大きく取るべきか?)。

上腕を地面と水平まで持ち上げると、上方回旋が起こることで確かに僧帽筋上部にも効いてしまうのですが「肩をすくめない(なで肩をキープ)」をしっかりと遵守すれば、僧帽筋上部への効きを相当量抑えることが可能です。

そのため「上腕を地面と水平まで持ち上げない(30〜45°でストップ)」は最終手段と捉えておくことをオススメします。