フォーム習得を目的とする場合「10レップ3セット」は推奨できない

 

今から7年ほど前、ウエイトリフティング部出身のトレーナーに「クリーン」や「スナッチ」などの、いわゆる「爆発的エクササイズ」を習いました。

しかし、月日が経ち知識が増えてきたためか、爆発的エクササイズにおける「フォーム」や「指導方法」に対して「こうした方が良いんじゃないかな」と考えることが多くなり「専門家の意見をもう一度聞きたい」との思いから、最近ウエイトリフティング部のある高校で、生徒に混じり1から指導を受けています。

スポンサーは、日本ウエイトリフティング協会が発行する「公認ウエイトリフティングコーチ」の資格を取得しているため知識が豊富で、かつ生徒たちもストイックながらノリの良い子が多いため、最初は少し緊張しましたがなかなかに楽しめています(笑)。

今回の記事は、自分が指導を受ける立場になり再度強く気づかされたことを書き綴っていきますが、最初に結論から申しますと、フォームの習得を目的とする場合は〜5レップを1セットとし、休憩を挟みながら高セットで取り組むことをオススメしています

巷でしばしば聞くような「10レップを3セットは推奨できません

なぜこのような主張をするのか?

わかりやすくするため、スクワットを例に挙げて説明していきます。

「〜5レップを1セット」とする理由

まず、フォームの習得を目的とする場合は「自重」もしくは「非常に軽い重量」を扱い反復練習をするべきです。フォームを習得できていないにも関わらず高重量を扱うと、傷害発生のリスクが間違いなく高まります。

しかし、いくら「自重」もしくは「非常に軽い重量」を扱っているとはいえど、

・胸を張り肩甲骨を寄せる。
・骨盤はニュートラル、もしくはやや前傾をキープする。
・「膝関節を曲げる」のではなく「股関節を折りたたむ」というイメージでしゃがむ。つまり、お尻を真下ではなく後方に突き出すようにしゃがむ。
・かかと寄りの荷重を意識すると「お尻を真下ではなく後方に突き出すようにしゃがむ」が行いやすい。
・生理的湾曲が維持できる一番深いところまでしゃがむ。言い換えるならば、腰が丸まるギリギリのところでストップ。

などを意識すると、10レップでも案外疲労が生じます(肉体的にも精神的にも)。特に、これといったスポーツ経験のない方や、体脂肪率の高い方・高齢の方であればなおさらです。

そして、その結果フォームが乱れる場合があります。フォームが乱れている状態での反復練習、つまり不適切なフォームでの反復練習は、あまり良いことではありません。なぜなら、適切なフォームを習得するためには、適切なフォームで反復練習をする必要があり、不適切なフォームで反復練習をしたところで、適切なフォームを習得することはできないからです。

「〜5レップを1セット」とする理由ですが、これは「疲労を生じさせない」つまり「疲労が原因でフォームが乱れる」といった状況を回避するという目的があります。

なお「〜5レップ」という具体的な数値を記載していますが、これには科学的な根拠はありません。今まで指導してきた経験の中で「〜5レップ」であれば、ほぼ全ての方が疲労を感じなかったため、このような数値にしています。

ちなみに、私は今スナッチに取り組んでいるのですが、スポンサーから指示された内容は「3レップを1セット」です。

休憩を挟みながら高セットで取り組む理由

詳しくは(こちらの日本語記事)を見ていただきたいのですが「分散効果」と呼ばれる現象があります。

集中的に学習をする(集中学習)よりも、休憩(間隔)を挟み繰り返し学習をする(分散学習)方が、学習の効果(記憶)がより長く持続するというものです。

わかりやすく具体例を挙げると、

①60分間集中的に学習をするパターン。
②15分間を4回、休憩を挟み学習をするパターン。

どちらも計1時間の学習時間ですが、②の方が学習の効果(記憶)がより長く持続するということになります。

このようなデータがあるため、休憩を挟みながら高セットで取り組むことをオススメしているわけです。

ちなみに、私は今スナッチに取り組んでいると先述しましたが、5分間の休憩を挟み「10セット」行っています。「3レップを1セット」と設定しているため、合計30レップ行っています。「10レップを3セット」と同じレップ数ではありますが、ちょこちょこ休憩を挟むため、特に疲労は感じません。

なお、各セットごとに動画でフォームを撮影しておけば、1セット目→2セット目で改善できた・できなかった箇所、2セット目→3セット目で改善できた・できなかった箇所……9セット目→10セット目で改善できた・できなかった箇所をチェックすることで、自分の得意・不得意な動作をより正確に把握することができます。

「前セットは◯◯を意識しても改善しなかった。よし、今セットは□□を意識してみよう。それでも改善しなかったら、次セットでは△△を意識しよう」と、より効率的にフォームを習得する「意識の仕方」を、何回も試行錯誤することが可能です。

 

まとめ

このような理由から、フォームの習得を目的とする場合は「〜5レップを1セット」とし、休憩を挟みながら高セットで取り組むことをオススメしています。

もっとも、私がオススメするこの方法は「10レップを3セット」から比べると、確かに1日あたりの時間を必要とします。しかし「フォームを習得するまでかかったトータルの時間」は、逆に少なくなります。

トレーニング未経験者や初心者の方、またトレーニング経験者であっても何か新しい種目のフォームを習得されようとしている方は、ぜひ試してみてください。

 

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