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レッグプレスは足の位置(高さ)で効果が変わる

脚やお尻を、具体的には大腿四頭筋やハムストリングス・大臀筋を鍛える代表的なエクササイズに(レッグプレス)があります。皆様も、一度は行われたことがあるのではないでしょうか?

今回の記事は、レッグプレスに関する質問で一番多いと思われる「足の位置(高さ)はどうすれば良いのか?効果は変わるのか?」にお答えしますが、最初に結論から申しますと、足の位置で効果は変わります。そして、基本的にはフットプレートの中央に足を置くことをオススメしています

論文を見てみる

詳しくは(こちらの英語文献)を見ていただきたいのですが、ここでは足の位置を変え、その際の筋活動を調べています。

出典:Da Silva EM, et al. Analysis of muscle activation during different leg press exercises at submaximum effort levels. J Strength Cond Res. 2008 Jul;22(4):1059-65.

写真左:足の位置が低いバージョン(LPL)
写真右:足の位置が高いバージョン(LPH)

その結果、

・大腿四頭筋はLPLで、大臀筋はLPHでより活動する。
・ハムストリングスの筋活動に有意な差はない。

というデータが得られました。

つまり「大腿四頭筋を鍛えたいのであれば足の位置を低くして、大臀筋を鍛えたいのであれば足の位置を高くした方が良いよ。ハムストリングに関しては、どちらでも同じくらい鍛えることができるよ」ということです。

※もっとも、この研究では

LPL:膝関節屈曲90度・股関節屈曲90度
LPH:膝関節屈曲90度・股関節屈曲125度

の状態からスタートしており、これだといささか可動域が小さい気がします。が、経験論的に可動域を大きくしても、大腿四頭筋はLPLで、大臀筋はLPHでより活動する、という印象がありますので、このまま当てはめても特に問題はないだろうと考えています。

フットプレートの中央に

先ほど「大腿四頭筋を鍛えたいのであれば足の位置を低くして、大臀筋を鍛えたいのであれば足の位置を高くした方が良いよ」と記載しましたが、基本的にはフットプレートの中央に足を置くことをオススメしています。

では、なぜそのようなオススメをしているのかというと、理由はいくつかあるのですが、そのうちの1つとしては「足首の柔軟性」と「滑り」が挙げられます。

足首の柔軟性

足の位置を低くすれば、確かに大腿四頭筋をメインで鍛えることはできるでしょう。しかし、低くしすぎると足首の強い屈曲が求められます。つまり、足首を反らなくてはなりません。

足首が柔らかい方であれば問題ありませんが、硬い方だとカカトが浮いてしまい、その分足首に負担がかかってしまうことが考えられます。

滑り

一方、足の位置を高くすれば、確かに大臀筋をメインで鍛えることはできるでしょう。しかし、高くしすぎるとフットプレートの角度の関係上、ズルズルと上に足が滑ってしまう恐れがあります。

かなり稀でしょうが、以前お客様で「足の位置を高くしすぎて、スポンッと足がフットプレートから外れてしまいました」という方もいらっしゃいました。

このような理由から、基本的にはフットプレートの中央に足を置くことをオススメしているわけです。

もっとも「大腿四頭筋を鍛えたいので中央よりやや下気味に足を置く」や「大臀筋を鍛えたいので中央よりやや上気味に足を置く」などは全く問題ないでしょう。

まとめ

・レッグプレスは足の置く位置で効果が変わる。
・足の位置が低いと大腿四頭筋。
・足の位置が高いと大臀筋。
・しかし、低すぎるのも高すぎるのも良くない。
・基本的には、フットプレートの中央に足を置くことをオススメする。
・「中央よりやや下気味」や「中央よりやや上気味」などは全く問題ない。