スク膝⑤ スクワットにおける膝とつま先の位置 結論前編

 

前回の記事(スク膝④ 可動域と効果・脊柱の屈曲と椎間板内圧)で、覚えてもらいたい知識は全て記載しました。

1.支持基底面と重心線
2.ニーイントゥーアウトと膝の傷害
3.せん断力と膝の傷害
4.可動域と効果
5.脊柱の屈曲と椎間板内圧

今回の記事から、スクワットにおける膝とつま先の位置について

ボディメイク・競技力向上・健康促進…etc.を目的とする大多数の方においては、安定性・安全性・効果などを踏まえると、膝はつま先のほぼ真上に位置することになる。しかし、状況によってはこの限りではない。

このような結論に達した理由を示していきます。

足幅とつま先の向き

まずは、足幅とつま先の向きから触れていきますが、基本的にスクワットでは、下の写真のように足をピタリとくっつけるよう指導することはありません。

支持基底面(上写真青枠)が小さいため、安定性が低いからです。※厳密には、横方向における支持基底面が短いため、左右へのブレが出やすい。

では、どうすれば良いのかというと、下の写真のように足を大きく広げれば、この問題(左右へのブレ)を解決できます。

しかし、このまま動作を行うと別の問題が発生します。それが、ニーイントゥーアウト(下写真青矢印)です。

ニーイントゥーアウトは膝に負担をかけるため、何とか対処しなくてはなりません。では、どうすれば良いのかというと、下の写真のようにつま先を大きく外に向ければ、ニーイントゥーアウトを阻止することができます。

しかし、この状態では、また別の問題が発生します。つま先を大きく外に向けたことで、縦方向における支持基底面が短くなり、前後へのブレが出やすくなるのです。

では、結局のところどうすれば良いのかというと「足をピタリとくっつける」「足を大きく広げる」「つま先を大きく外に向ける」などと極端になるのではなく、それぞれのパターンの中間といいますか「良いとこ取り」をしてあげれば良いわけです。

そして、その良いとこ取りをした結果が、巷で良く言われている「足幅は肩幅よりも(やや)広め、つま先は(やや)外に向けて」になります。下の写真がそれです。

こうすれば、横・縦方向における支持基底面も相応に確保できますし、ニーイントゥーアウトも起こりづらくなります。つまり、安定性を高め、膝への負担を減らすことができるわけです。

 

いざしゃがむ

足幅とつま先の向きが決まりましたら、今度はしゃがむわけですが、ここでは下の写真のように「お尻を後ろに突き出す」がポイントになります。

ハムストリングスをより働かせ→せん断力を小さくし→膝への負担を減らし→傷害のリスクを下げるためです。

そして、できる限りの効果を求めるのであれば、可動域を大きく取る = 深くしゃがむ必要があります。しかし、特に身体の硬い高齢者や男性・そのほかトレーニング初心者では、下の写真のように深くしゃがむと腰が丸まる(脊柱が屈曲する)ことがあります。

腰の丸まりは、椎間板にかかる圧力(椎間板内圧)を上昇させ→腰に大きな負担を生じさせ→椎間板ヘルニアなどの傷害のリスクを高めるため、極力避けた方が良いでしょう。

腰が丸まる深さは人それぞれですが、大多数の方においては、太ももが地面と水平周辺(パラレル〜フル)までなら腰が丸まらない、という印象があります。つまり、大多数の方においては、パラレル〜フルがしゃがむ深さの理想になるということです。

そして、最下点における膝とつま先の位置を見てみますと、

このように、ほぼ真上に位置することになります。

 

まとめ

スクワットにおける膝とつま先の位置について「ボディメイク・競技力向上・健康促進…etc.を目的とする大多数の方においては、安定性・安全性・効果などを踏まえると、膝はつま先のほぼ真上に位置することになる」との結論に達したわけですが、その理由は

安定性:支持基底面の大きさや長さ
安全性:ニーイントゥーアウト・せん断力・腰の丸まり(脊柱の屈曲)
効果:可動域

を考慮してのことです。

しかし、必ずしも「膝はつま先のほぼ真上に位置することになる」わけではありません。次回は、その例外について書き綴っていきます。

 

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