1週間ほど前「筋肉をつけながら体脂肪を落とす(減量)ことは可能か?」というタイトルで記事を書きました。つまり「筋肥大」と「体脂肪減少」の両立について記事を書きました。
予想以上に好評だったのですが「あの内容だと少し薄いかな〜」と思う部分があったため、今回は補完の意味も込め、もう少し詳しく切り込んだ記事を書いていきたいと思います。
最初に結論からお話ししますと、巷では「アンダーカロリーでは筋肥大は起こらない」と言われていますが「アンダーカロリーでも筋肥大は起こる」というデータは複数存在します。
つまり「食事制限等を行い減量中であったとしても、筋トレをすれば筋肉は大きくなる場合がある」ということです。
アンダーカロリーとは?
まずは「アンダーカロリー」について確認をしていきます。
生活を送るにはエネルギーが必要
私たちは、今こうして生きているわけですが、生きるためには当然のごとく、心臓を動かしたり、呼吸をしたりしなければいけません。また、お仕事やどこかに出かける際には、歩いたり、車を運転したりすることもあるでしょう。
そして、そのような生活を送るには、エネルギーが必要になります。車でいうところの、ガソリンが必要になるわけです。
では、一体どのようにしてエネルギーを獲得しているのかというと、食事になります。食べ物を消化・吸収することで、私たちはエネルギーを得ています。
消費エネルギーと摂取エネルギー
エネルギーの重要性は周知の事実だと思いますが、さらに理解を深めるため、エネルギーの収支にはそれぞれ名称がつけられています。それが、消費エネルギーと摂取エネルギーです。
消費エネルギーは、生活を送るうえで使われたエネルギーを指し、摂取エネルギーは、体内に取り入れたエネルギーを指します。
アンダーカロリー
エネルギーは、一般的に「カロリー」という単位で表されるため
・消費エネルギー→消費カロリー
・摂取エネルギー→摂取カロリー
と、言い換えられるのですが、これら2つの大きさを比較した時
「消費カロリー > 摂取カロリー」
このような図式がアンダーカロリーと呼ばれています。イメージとしては「出費がかさんでいる状態」がアンダーカロリーです。
※ちなみに、この逆はオーバーカロリーと呼ばれます。
アンダーカロリーでは筋肥大しない?
アンダーカロリーの確認ができたところで本題に入りますが、巷では「アンダーカロリーでは筋肥大は起こらない」と言われることがあります。それも、多々あります。
では、なぜそのように言われているのかというと「アンダーカロリーは出費がかさんでいる、要は、赤字の状態。そして、その赤字分(足りないエネルギー分)は、筋肉を分解して補う」と考えられているためです。
筋トレをして筋肉を大きくしようとしても、アンダーカロリーの状態では筋肉の分解が激しいため「新たな筋肉生成 < 分解」このような図式になってしまうというわけです。
そして、この理屈を肯定するデータも存在します(こちらの英語文献を参照)(こちらの英語文献を参照)。このような理由から、巷では「アンダーカロリーでは筋肥大は起こらない」と言われているのです。
経験的にはアンダーカロリーでも筋肥大していた
しかし、私は、どうしてもこの理屈を受け止められずにいました。
というのは、私自身も、今まで指導したお客様も、明らかなアンダーカロリーにも関わらず、筋肥大が起きているという経験があったからです。明らかに体脂肪が落ちている一方で、同時に筋肉も大きくなっているという経験があったのです。
そして、実際に調べてみると「アンダーカロリーでも筋肥大は起こる」というデータを複数確認できました。詳しくは(こちら)(こちら)(こちら)の英語文献をご覧ください。
体脂肪はエネルギーの貯金と考える
「アンダーカロリーでは筋肥大は起こらない」という報告と「アンダーカロリーでも筋肥大は起こる」という真逆の報告があるわけですが、これらの違いは一体何が理由なのかというと、断言することはできませんが、少なくとも「体脂肪率」はまず間違いなく関係しているであろう、と考えています。
・体脂肪率が低い人:アンダーカロリーでは筋肥大は起こらない(起こりづらい)
・体脂肪率がそれなりの人:アンダーカロリーでも筋肥大は起こる
ということです。
つまり
ということになります。
まとめ
・巷では「アンダーカロリーでは筋肥大は起こらない」と言われている。
・そして、それを裏付けるデータも存在する。
・しかし「アンダーカロリーでも筋肥大は起こる」というデータも複数存在する。
・断言はできないが、体脂肪率が低い人においては、アンダーカロリーでは筋肥大は起こらなく(起こりづらく)、体脂肪率がそれなりの人においては、アンダーカロリーでも筋肥大は起こる。
・体脂肪は、エネルギーの貯金。
ただ、最後に1つ注意していただきたいことがあるのですが、体脂肪率以外にも、例えばトレーニング歴であったり、トレーニング内容であったり、アンダーカロリーの度合いであったり、食事内容であったり…も、アンダーカロリー下における筋肥大を決定する要因にはなると思います。