スクワットやベンチプレスにおける1RMの平均値はどれくらい?

 

トレーニング指導をしていると、特に男性から結構な確率で「スクワットやベンチプレスにおける1RMの平均値」を聞かれます。つまるところ「自分は、他人と比較してどれほど力持ちなのか」に興味を持たれているということです(1RM=最大挙上重量=MAX重量)。

個人的には(筋トレの効果には個人差が存在することを知っておこう)で記載したように「自分と他人」ではなく「過去の自分と今の自分」を比較されることをオススメしているため、お客様に対して「1RMの平均値はスクワットで○○kg、ベンチプレスで○○kgとなっています」などと言うことは基本的にありません。

しかし、気になってしまう理由はすごくわかります。

今回の記事は「スクワットやベンチプレスにおける1RMの平均値」について書き綴っていきますが、最初に結論から申しますと、トレーニング未経験者においては、

男性
スクワット:55kg前後
ベンチプレス:40kg前後
女性
スクワット:25kg前後
ベンチプレス:15kg前後

ほどになるのではないかと思われます。

友人と私が集計したデータ

実は、私も「スクワットやベンチプレスにおける1RMの平均値」に興味を持っていた時期がありまして、友人に協力を依頼され、お互いのデータを集計したことがあります。

もっとも、友人と私のお客様の中には「格闘家」や「競輪選手」などのアスリートをはじめ、筋骨隆々とした外国の方が多くいたため、ある程度条件を絞ることにしました。

その際の条件及び詳細は以下の通りです。

・20歳以上〜50歳未満の男性。
・トレーニング(バーベルを扱ったトレーニング)経験がない。
・トレーニング開始からおおよそ3ヵ月後の記録。
(※適切なフォームを習得したのち測定を行っているため、トレーニング開始からおおよそ3ヵ月後の記録となっています)

その結果1RMの平均値は、

 20代
・スクワット:77.5kg(体重比114%)
・ベンチプレス:62.5kg(体重比95%)
 30代
・スクワット:72.5kg(体重比104%)
・ベンチプレス:60kg(体重比86%)
 40代
・スクワット:72.5kg(体重比97%)
・ベンチプレス:57.5kg(体重比77%)

となりました。

わかりやすくまとめたのが、下のグラフです。

ちなみに、各種目を実施する際の注意点として、

・スクワット:膝関節よりも、股関節が下に位置するまでしゃがむ(フルスクワット)。
・ベンチプレス:胸につくまでしっかりとバーベルを降ろす。バーベルをバウンドさせない。お尻を浮かさない。

と指導しています。

 

男子大学生を対象としたデータ

詳しくは(こちらの日本語文献)を見ていただきたいのですが、これには男子大学生を対象としたデータが記載されています。以下が1RMの平均値です。

・スクワット:62.9kg(体重比101%)
・ベンチプレス:45.7kg(体重比73%)

出典:高橋 勝美.泉川 喬一.矢作 庄次郎. 大学生のための筋力トレーニングの至適強度の決定法. 神奈川工科大学研究報告. A, 人文社会科学編 16, 51-56, 1992-03

友人と私が集計したデータよりも低値となっていますが、測定は「トレーニング開始から2週目」に行われています。

詳しくは(こちらの日本語文献)を見ていただきたいのですが、男子大学生を対象とした実験では、約2ヵ月間(50日間)のトレーニングでベンチプレスの1RMが平均して約10kg増加しています。そのため、このままトレーニングを継続しおおよそ3ヶ月経てば、友人と私が集計したデータの20代とほぼ同等の数値となっていたでしょう。

 

まとめ

「どれほど筋力が向上したか」や「目的に合わせた適切な重量」を正確に把握するため、お客様には定期的に1RMの測定を行うよう指導しているのですが、1RMの測定は「適切なフォームを習得したのち」行います。

もっとも(筋トレ知識 RM(レペティションマキシマム)と計算式・RM表など)で記載したRM表を駆使し、1RMの推測値は早い段階で割り出しますが、身体面や精神面への負担を考慮すると、やはり直接1RMの測定を行う場合は時期を見計るべきです。

そのため「初めて行う(トレーニング未経験者の)スクワットやベンチプレスにおける1RMの平均値」は残念ながらわかりません。しかし、これらのデータをもとに考察するならば、もちろん体重・年齢などにも左右されるでしょうが、男性に関しては、

・スクワット:55kg前後
・ベンチプレス:40kg前後

ほどになるのではないかと思われます。

ちなみに、女性に関してですが「フリーウェイトエリアでトレーニングを行うことに抵抗がある」や「シャフト(20kg)のみの時点でキツイ(特にベンチプレス)」などの理由から、少なくとも最初のうちはレッグプレスやチェストプレスなどのマシントレーニングを指導する場面が多くあったため、男性のようにデータを集計していません。

しかしながら(こちらの英語文献)を参考にするのであれば、男性同様体重・年齢などにも左右されるでしょうが、

・スクワット:25kg前後
・ベンチプレス:15kg前後

ほどになるのではないかと思われます。

 

最後に

海外なのですが、1RMからその人の筋力レベルを教えてくれるWebサイトがあります。

STRENGTH LEVEL

・男性が対象
・上の表:スクワット
・下の表:ベンチプレス
・Bodyweight:体重
・Beginner:未経験者
・Novice:初心者
・Intermediate:中級者
・Advanced:上級者
・Elite:エリート

これらの具体的な数値は「目標設定の参考になる」や「モチベーションの維持・さらなる向上につながる」というメリットがある一方「自身の筋力レベルにガッカリする」や「重量に執着しフォームが崩れる(傷害の危険性が高まる)」といったデメリットも孕んでいため「ふーん。こんなものもあるのか。へー。」程度にとどめることをオススメします。