【アスリート】競技力向上 実践編① 基本5種

 

何らかのスポーツ競技を行っており、その競技のパフォーマンス(競技力)を少しでも高めたいと思われている方(アスリート)には、トレーニングを行うことをオススメしています。競技力を決定する要素には身体能力があり、身体能力はトレーニングを行うことで効果的に向上するためです。

また、トレーニングには「傷害発生率を減少させる」という効果も確認されているため、取り入れない手はないでしょう。

しかし、トレーニングは「がむしゃらに行えば良い」というわけではなく、その人の目的や状況に合った「適切なやり方」が存在します。

今回の記事から、その「適切なやり方」について、つまり「具体的なトレーニング内容」について書き綴っていきますが、種目や重量・回数・セット数…などに触れていくため長くなるので、シリーズ化し複数回に分ける予定です。

全身の筋肉を満遍なく強化することが原則

まずは種目についてですが、その話をする前に「全身の筋肉を満遍なく強化すること」が、アスリートにおけるトレーニングの「原則」となります。

スポーツは「どこか1つの関節だけ」ではなく「様々な関節を動かす、つまり「どこか1つの筋肉だけ」ではなく「様々な筋肉を使うためです

バレーを例に取りますが、バレーで勝利をおさめる要因には「スパイク」があり、スパイクの質は「スパイク速度(ボールの速度)」と「ジャンプ力(助走を伴うジャンプ高)」によって決定されます(詳しくはこちらの英語文献を参照)。

スパイク速度があれば、その速さゆえレシーブが困難になり、ジャンプ力があれば、その高さゆえブロックが困難になるためです。

そして、スパイク速度を高めるには上半身の、ジャンプ力を高めるには下半身の「筋力」「筋の収縮速度」「パワー」が必要になると考察されています(詳しくはこちらの英語文献こちらの日本語文献を参照)。

また「全身の筋肉を満遍なく強化すること」言い換えるのであれば「全身の筋肉をバランスよく発達させること」によって「傷害発生率を減少させる」という効果も期待できます。

詳しくは(こちらの英語文献)を見ていただきたいのですが、例えばハムストリングスの肉離れの原因には「大腿四頭筋とハムストリングスの、つまり、太ももの前と後ろの筋力差」が挙げられています。

このような理由から、

「全身の筋肉を満遍なく強化すること」が、アスリートおけるトレーニングの「原則」となります。

と、先ほど記載したわけです。

ただ、ここで1つ注意をしていただきたいことがあるのですが「全身の筋肉を満遍なく・・・・(=均一に)強化すること」は、あくまでもアスリートおけるトレーニングの「原則」に過ぎず、決して「絶対ではありません

例えばサッカーでは、下半身だけでなく上半身の筋肉も重要になります(サッカーで上半身の筋肉を鍛える(筋トレを行う)必要はあるのか?)。しかし「上半身と下半身の筋肉、どちらが重要ですか?」と聞かれたら、それはやはり下半身の筋肉です。よって、サッカーにおけるトレーニングでは、下半身の強化に比重を置き指導をしています。

 

基本5種

では、全身の筋肉を満遍なく強化するためには、一体どのようなエクササイズ(種目)を行えば良いのかと申しますと、以下の5種目になります。つまり、以下の5種目を行えば、全身の筋肉を満遍なく強化することが可能です。そして、私は以下の5種目を「基本5種」と呼び、指導にあたっています。

スクワット:大腿四頭筋を中心とした下肢の筋群
ルーマニアンデッドリフト:ハムストリングス・大臀筋・脊柱起立筋など後面の筋群
ベンチプレス:大胸筋・三角筋・上腕三頭筋など上肢の筋群
ラットプルダウン:広背筋を中心とした背部の筋群・上腕二頭筋・前腕など上肢の筋群
レッグレイズ:腹直筋・外腹斜筋など腹部の筋群
※なぜ、これら5種目を「基本5種」に選択したかを詳しく知りたい方は(まずはBIG3+ラットプルダウン+レッグレイズを習得しよう)をご覧ください。

ただ、ここでも1つ注意をしていただきたいことがあります。それは「全身の筋肉を満遍なく強化すること」は、あくまでもアスリートおけるトレーニングの「原則」に過ぎなかったように、これら5種目も「基本」に過ぎず「基本5種は絶対に行う」や「基本5種しか行わないというわけではないということです。

「この方の行っているスポーツや向上させたい動作を踏まえると、どちらかといえば上半身より下半身が重要になるな。また、上半身は十分に発達しているけども、下半身はお世辞にも発達しているとは言えないな」などという場合は、ベンチプレスやラットプルダウンを削り(リバースランジ)や(ヒップスラスト)を取り入れることもあります。こうすることで、下半身のさらなる強化を狙うわけです。

つまるところ、何が言いたいのかというと「その人の目的や状況に合わせて、変化させる場合もある」ということです。

では、基本5種以外で、具体的にはどのようなエクササイズを取り入れているのかというと、上記の「リバースランジ」や「ヒップスラスト」以外では「オーバーヘッドプレス」や「ベントオーバーロウ」などが代表的なものとして挙げられます。

動画:0:09〜
動画:1:30〜
なお、エクササイズは「左右の動作」という点から「ユニラテラル・エクササイズ=左右で動作が違うエクササイズ」と「バイラテラル・エクササイズ=左右で動作が同じエクササイズ」に分類することができ、ユニラテラル・エクササイズにはリバースランジが、バイラテラル・エクササイズには基本5種、ヒップスラスト、オーバーヘッドプレス、ベントオーバーロウが該当します。

これらの取り入れ方につきましては以前ブログに書いていますので、

(ユニラテラル・エクササイズ(片側性エクササイズ)の取り入れ方)
(バイラテラル・エクササイズ(両側性エクササイズ)の取り入れ方)

をご覧ください。

次回に続く。

 

まとめ

・アスリートにおけるトレーニングは「全身の筋肉を満遍なく強化すること」が原則となる。
・なぜなら、スポーツは「どこか1つの関節だけ」ではなく「様々な関節」を動かす、つまり「どこか1つの筋肉だけ」ではなく「様々な筋肉」を使うため。
・また「全身の筋肉を満遍なく強化すること」によって「傷害発生率を減少させる」という効果も期待できる。
・もっとも「全身の筋肉を満遍なく強化すること」は、あくまでもアスリートおけるトレーニングの「原則」に過ぎず、決して「絶対」ではない。
・全身の筋肉を満遍なく強化するためのエクササイズとして、スクワット・ルーマニアンデッドリフト・ベンチプレス・ラットプルダウン・レッグレイズの5種目を指導している(基本5種)。
・もっとも、これら5種目はあくまでも「基本」に過ぎず「基本5種は絶対に行う」や「基本5種しか行わない」というわけではない。
・リバースランジ、ヒップスラスト、オーバーヘッドプレス、ベントオーバーロウなどのエクササイズを取り入れることもある。

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